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漢方(薬草)の楽しみ

虫めがね vol.50 No.5 (2024)

若い頃は大して気にも留めなかったが、年齢とともに薬草(漢方)に興味を持つようになった。

まず最初は「玄米食」である。わが家は十年ほど前から玄米食を食べている。きっかけはわたしがある友人と話している時に、彼は玄米食を三十年以上続けている。 おかげで風邪を引くことも少なくなったし、健康な生活を送っている。彼の話では余命二‐三年と医者に宣告された癌患者が玄米食に変えたところ十年も生き延びたと言うような話を聞いて興味を覚えたのである。 今後わが家は玄米食にしたいと女房に言うと反対するかと思いきや、すんなり「いいよ」と応じてきた。それ以来わが家は玄米食となっている。 当初、玄米食を一か月ほど続けたが、さすがに白米食に比べて美味しくない。それで玄米/白米(50/50)の混合食に変更した。これだと抵抗なく今に続いている。 玄米は内臓を強くし、血行を良くするので体質を改善し、冷え症や風邪をよく引く人などにも有効なようだ。古くは、玄米を常食としていた禅僧は肉類を食べなくとも長寿を保った。

次は「ハトムギ茶」である。わたしは夏になると麦茶を冷やして飲んでいたが、これを五年ほど前にハトムギ茶に変えた。 ハトムギ茶は食品スーパーでも売っているのでこれを買ってきてハトムギ茶を作りペットボトルに詰めて冷蔵庫に冷やして適宜のんでいる。 ハトムギの効能を本で調べてみると「肺の働きを活発にし、体の中の余分な水分を取り除く利尿作用に優れている」とある。 肥満、膀胱炎、喘息、むくみなどに効果があるそうだ。

「シソ」は数年前にわが家の庭に植えたものが夏の終わりには種子を落として枯れる。翌年の春にはそれが発芽してまた大きく育ってくるので毎年それを利用している。 シソの葉を刻んで冷奴、そうめんや刺身、焼き魚、てんぷらなどのつまにして食べている。シソは魚やカニの毒を中和する働きがあるそうである。 料理店で刺身を注文するとシソの葉が一緒に出てくるのは理に適っているわけである。シソは胃や大・小腸の働きを良くし、冷えによる腹痛や下痢を治すと書いてある。

シソにはアブラムシやハダニなどの害虫がつきやすい。わが家のシソは殺虫剤などの対策は何も取っていないのでこれらの害虫にやられてあちこちに虫に食われた穴が開いている。 虫食い穴があっても食べるのには困らないのでそのまま水で洗って食べている。

戦国の武将で征夷大将軍の徳川家康は享年が七十五歳という当時としては珍しい長寿であった。彼は漢方に興味を持ち、関係の書を読み漁り自ら薬の調合まで行っていたそうである。

このテーマの話は次回に続く。

♪雑穀も醗酵を経て銘酒なる

(赤タイ)

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