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カーボン・なんとか・5

みちくさ vol.48 No.5 (2022)

次に植林によってどのくらいの二酸化炭素が吸収できるか、という問題である。この件に関しては、林野庁の「森林の地球温暖化防止機能について」といったサイトがあって、丁寧な解説がされている。

まず、木材体積および重量と二酸化炭素量の関係は表に示すとおりである。

次に樹木の年間の体積増加量である。これはまさに千差万別であるので、林野庁では全国の森林の平均的な値を調べることができる「収穫表」から求め、これに枝・葉・根の部分の炭素蓄積量(幹の部分の約五〇%に相当)を加味して樹木全体の増加量を把握し、樹木の重量あたりどれぐらいの炭素を含んでいるのかを出している。そして、前記林野庁HPでは地域や樹種によって異なるが、三六~四〇年生のスギ人工林1ヘクタールの1年間の幹材積増分を約十〇m3、森林全体で1年間に吸収する二酸化炭素の量は約8・8トンと推定している。

ここで問題となるのは樹木伐採後の枝・葉・根の部分である。このままではやがて腐朽して二酸化炭素として大気中に放出されるわけであるから、これを森林吸収量としてカウントするのは、筆者は違和感を持っている。また、樹幹の部分にしても製材歩留まりは五〇%程度であろうし、その主材を用いた建物の寿命がせいぜい七〇年くらいであるとするなら、実質的な吸収量はかなり少ないのでは、と思ってしまうのである。

ただここで引用されている計算法は、森林総研が二〇〇三年頃に行った「森林による炭素吸収量をどのように捉えるか~京都議定書報告に必要な森林吸収量の算定・報告体制の開発~」という研究成果に基づくものであり、現時点でも適用可能かどうか再検討が必要と思っている。

・木材重量の1/2がC
 ⇒木材1kgをつくるのに0.5kgのCが必要
 ⇒0.5×(12+16×2)/12 =1.83、より1.83kgのCO2が必要

・木材の実質密度(全乾密度)
 スギ:約320kg/m3、ヒノキ・カラマツ:約420kg/m3
 ⇒木材密度を400kg/m3とすれば、200kg-C/m3、734kg-CO2/m3

(徒然亭)

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