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今年の流行語大賞予想・4
みちくさ vol.46 No.6 (2020)
以前、このコーナーで今年の流行語大賞にノミネートされる言葉には「新型コロナウイルス」に関連したものが多くなる、と予想した。先日、発表されたリスト、三十語中には「アベノマスク」「アマビエ」「ステイホーム」「クラスター」「GoToキャンペーン」「3密」「自粛警察」「ソーシャルディスタンス」「濃厚接触者」「PCR検査」と、説明済み(?)の言葉が入っており、「新しい生活様式」の中での社会経済活動にまつわるワードも加えると、ほぼ半数が関連したものになっていた。これに「巣篭り」が加わると、申し分なかった。
「オンライン○○」「テレワーク/ワーケーション」も関連語であろうが、さらに「Zoom映え」というのがあった。そこでネットで検索すると、曰く、「テレワークにウェブ会議、そしてオンライン授業やチャット会議をする事は増えています。今回は誰でも簡単にZoom映えする方法を紹介したいと思います。」とカメラのセット方法等が記載されていた。
今年活躍した芸人のネタに関連したものも多いようで、漫才コンビ「ぺこぱ」の「時を戻そう」は面白いと思っている。無論、心当たりのない言葉もいくつかある。ちょいと気になったのが「カゴパク」。これは「7月から始まったスーパーやコンビニのレジ袋有料化のため、カゴを持ったまま退店する人が増えた」ことを意味しているのだそうだ。
あと、発表日直前に滑り込んできたのが「総合的、俯瞰的」。そして「俯瞰的に見る」とは「客観的に全体を見る」「第三者の視点で見る」「広い視野で物事を見る」、そして対義語は「主観的に見る」となる。この言葉が選ばれた感想を聞かれた官房長官は、言及は避けつつ、「国民のために働く内閣」がノミネートされなかったことに不満をにじませたのだそうだ。政治に関連した言葉では、新型コロナウイルス対策をめぐり、安倍前政権が全国の世帯に配ったマスクの通称「アベノマスク」もノミネートされている。
ところで、この賞は選出されたノミネート語から姜尚中、金田一秀穂の各氏ほかで構成される選考委員会がトップテン、年間大賞語を選ぶ。その授賞式には例年、関連する人物が出席するとのこと。もしコロナワードや「俯瞰的」が賞に選ばれた場合、誰が出席するのでしょうかね。
(徒然亭)