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今年の流行語大賞予想
みちくさ vol.46 No.2 (2020)
昨年の流行語大賞はラグビーのワールドカップに因んだ「ONE TEAM」だったが、今年は「新型コロナウイルス」、あるいはそれに関連したものが多くノミネートされるに違いない。
たとえば「パンデミック」と「インフォデミック」。
つい最近、WHOが「欧州が今やパンデミックの中心だ」と述べるに至ったそうだが、その拡散を上回る勢いでフェイクニュースが世界中で大量にばらまかれている。これを「インフォデミック(情報の感染爆発)」と呼ぶのだそうである。
その一つが今回のトイレットペーパー騒ぎ。これは今年の二月に「トイレットペーパーは中国で製造・輸入しているため、新型コロナウイルスの影響でこれから不足する」といった誤情報がSNSを通じて広まったのだそうだ。そしてその発信元探しとさらにそれに関する誤情報まで飛び交って、大変だったようである。
実は一九七三年のオイルショックの際にも物資不足が噂され、日本各地でその買い占め騒動が起こったことがある。その経緯はウィキペディアにも述べられているので、そちらを参照していただきたいが、このときは当時の通産大臣が「紙節約の呼びかけ」を発表したためであって、それが『紙が本当に無くなるかもしれない』という集団心理から、各地に噂が飛び火したということのようである。
あるコラムでは「物資の流通への誤解に基づく懸念があるにせよ、こういった状況のとき、なぜ日本人がトイレットペーパーにとりわけ執着するかは謎だ。」とあった。なるほどね。
そのほかでは「緊急事態宣言」「クルーズ船」「飛沫感染」「濃厚接触者」「マスク転売」「無観客試合」「テレワーク」などなど。
このうち「濃厚接触者」とは医学用語ではなく、定義は症例毎に厚労省が記述することがある、といったもののようだ。今回の場合「国立感染症研究所 感染症疫学センター」からその内容が公表されている。
また「無観客試合」では今、相撲がその状態になっている。呼び出し、行事の声、それに力士のぶつかり合いの音が、妙にリアルに聴こえる。野球も静かで試合に集中できて良い。
この騒ぎ、まだ続きそうな気配である。
(徒然亭)