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超豪華寝台列車・故障/立ち往生
みちくさ vol.43 No.4 (2017)
そろそろ原稿催促の時期となり、これに手を付けようとしていた矢先、前回書いたJR東日本「トランスイート四季島」が早速「故障、立ち往生した」というニュースが飛び込んできた。
5月1日の運行開始から丁度2か月目である。場所は福島県内、現場に8時間半、停電で停車したとの由。ネット上ではインスタグラムなどでの現場中継が残されていた。
四季島の電気モーターを動かしているエネルギー供給方法の件は前に書いたように複雑である。簡単に言うと非電化区間ではディーゼル発電機で発電してこれを用い、電化区間は普通の電車として走行しているわけであるが、今回の運行経路は信越線を経由して新潟県内から磐越西線に入り、会津若松に抜けるというものだった。つまり新潟側の新津までが直流、そこから喜多方までが非電化、次いで会津若松方面に向かって交流に変わる、という経路になっていたわけである。
JRでは故障の原因を「非電化区間から電化区間に変わる喜多方駅での停車中にパンタグラフを上げたところ、9号車の屋根の上に折れた木の枝があったためショートし、パンタグラフを昇降させる空気配管に穴があいた。」と発表している。
最終的な報告はまだ出ていないのではあるが、どうも「そうではないのではないか」という意見も多い。例えば、新潟側の「直流電車モード」のままで走行し、喜多方以東で「交流電源モード」に変換せずに繋いでしまったのではないか、という見方である。
電源切替の技術的な仕組みはよく判らないが、これは機械的な誤作動によるものなのか、あるいは運転士の人為的な操作ミスなのか、どちらなのだろうか?
四季島は来年3月分までのチケットが完売しているのだそうだが、試運転のときにはエンジンの不具合によって、緊急停止する事故が2度も発生したらしく、安全面・技術面、たとえば車両の整備、運転士の教育・訓練に関する課題も多いとの記事もあった。
人命にかかわる事故に至らなかったのは幸いであるが、原因究明と対策についての情報開示はしっかりしてほしいものである。
「瑞風」も走り出し、テレビでもずいぶん報道されていた。こちらの方は大丈夫かしら。
(徒然亭)