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中古アナログ・レア盤
みちくさ vol.43 No.2 (2017)
アナログ盤、復活の兆し。
確かに、中古ではない新譜、それもごく最近の録音をLPレコードにしたものの発売が増えている。お値段はいろいろであるが、無論、同時に発売されているCDよりもかなり高価である。
中古の方は、といえば上京した折、都内のショップを、とくに買おうとして行くわけではなく、興味半分に覗くことが、時々ある。そして、いわゆるレア盤(僅少盤、珍盤―といっても定義がよく判らないのだが)になると、一桁違うのではないか、と思うくらい高い値札が付いているものに、時々出くわす。
筆者がもう三十年も前に購入し、今も手元にある2枚組のものは税抜き一万二千円。もっとも、これは「名盤」に属するものであるからであって、通常では盤や装丁の状態によるが、平均一枚千円か、それより若干高いようだ。
レコード棚の中には、レア盤らしきものが何枚かある。その一つがホフナング音楽祭、一九五六、五九、六一年のライブ収録、英国EMI盤の三枚、いわゆる冗談音楽の走りである。
中に「オペラを偽造しよう(レッツ・フェイク・アン・オペラ)」というのがあって、「カルメン」と「ニュルンベルクの名歌手」の序曲をくっつけた「序曲」に始まり、古今の有名オペラなどのフレーズが眩暈するほどたくさん出てくる、という代物である。これなど、クラシック音楽にあまり触れたことのない人には、聴衆が何故笑っているか解らないところも結構あるのだろうと思う。
この音楽祭、この後も時々開催されているのだそうで、一九八八、九二年の盤(前者はCD、後者はDVD)もでている。あと、米国でPDQバッハ、国内では山本直純のパロディーコンサートなどもある。以上のものもかなり購入した。
さて、中古LPはどのくらいの価格で買い取って頂けるのかしら、と調べてみた。すると、高くとも売値の十パーセントくらい、つまり一枚百円以下が通常だそうだ。となると所有の数百枚を中古屋にもっていったところで、あまりの安さに驚くことになりそうだ。どうも一切合切、好事家に差し上げたほうが、よほどすっきりしそうである。レア盤らしきものも、かなり含まれているとしても、である。さてどうしましょう。
(徒然亭)