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SP・LP・EP・CD
みちくさ vol.43 No.1 (2017)
本コーナーの何回目だったか、SP盤のことを書き、最後に『この章、とりあえず「続く」、ですかね。』と結んだ。
実はこの「続き」も少し書き始めていたのだが、結局、ものにならず、そのときは放り出した。ところが最近、アナログ盤、復活の兆しだという。途中まで書いてあった草稿をもとに、マニアックになることは覚悟で続ける。
さて、LP盤とは「LONG PLAY」の略である。そうなるとSPの「S」とは「SHORT」と思われるかもしれないが、さにあらず「STANDARD」であって、これが毎分七八回転、片面最大五分。これに対し、LPは一九四七年、米国コロムビアで開発され、回転数は毎分三三・一/三、収録時間は片面二五分くらい(その後、バリアブルピッチの採用で三〇分を超えた)。材質は塩化ビニールであった。
これに慌てたのは米国RCA社。追いかけるように直径七インチ、四五回転のEP(EXTENDEDPLAY)盤を発売する。これがジュークボックス用の、いわゆるシングル(ドーナツ盤)の先祖。
そのステレオ化は五四年以降である。その初期の録音は米国RCAでシカゴやボストンのオーケストラによるものが多く、いずれもベートーヴェンの5番が含まれている。
これらの録音方式はいずれも磁気テープによるアナログであるが、七二年になるとデジタル録音盤が市販される。最初に録音機を発明したのは日本のデノンで、当時PCM録音といった。
このデジタル「初めて」の盤がスメタナ弦楽四重奏団のモーツァルト。これはLP時代に買った。確かに音はクリアになっているように感じた。
そして八二年、CDが出現。当時の価格は三千八百円、CDプレーヤーは十七万円前後。
CDに乗り換えたのはプレーヤーが比較的安くなり、販売ベースでCDがLPを追い抜いた八七年頃だったと思う。そしてCDはどんどん安くなり、よくまとめ買いもした。
筆者のオーディオセット、現在でもアナログシステムは動き、最近、カートリッジまで新調した。数百枚のLPやシングルもある。いずれ、これらの処分を考えなければならないのだろうが、...。
(徒然亭)