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ゴルフの楽しみ
虫めがね vol.43 No.4 (2017)
わたしが住んでいる兵庫県は日本で三番目にゴルフ場が多い県である。そして、兵庫県は日本で最初のゴルフコースが出来た場所でもある。神戸に住んでいた英国人貿易商アーサー・H・グルームが一九〇一年に外国人の娯楽の為に神戸の六甲山にゴルフ場を造った。今の「神戸ゴルフ倶楽部」である。日本には、平成二九年現在で二六五七ヶ所のゴルフ場があるが、数でトップは北海道でその後に千葉県、兵庫県と続く。わが家から車で約四十分の範囲内にゴルフ場が一〇ヶ所以上はあり、ゴルフ天国の地に居住していることになる。
今から約二十年余り前に、定年後に時間に余裕が出来たらゴルフを楽しもうと、貯蓄も兼ねて某ゴルフ場の会員権を購入した。貯蓄目的の方は、最近のゴルフ人口の急激な減少で会員権の価値は紙くず同様になったが、プレー料は土曜、日曜を外せば、かなり安くなって楽しめるようになった。
ゴルフの楽しさ、そして難しさは、同じコースで同じ場所から同じクラブで同じ方向へ打った球も決して同じようには飛んでくれない。方向も、飛距離も違ってくる。したがって、同じコースを何度プレーしても常に同じではなく、変化があって楽しめるということである。
わたしが所属しているゴルフ倶楽部では、年間最多来場者表彰と言うのがある。これにY氏はたびたび表彰されている。彼は年間百回を超えてこのコースでプレーしている。雨の日や雪でプレーができない日もあるだろうから、三日連続でプレーすることもあるそうだ。
ある時、このY氏と一緒にプレーすることがあったので尋ねた。「このコース以外ではプレーしないのですか」「いや、誘われて他のコースでプレーすることもある」そうであった。
でもさすがに年間百回余り同じコースでプレーしているだけあってコースの癖は隅から隅まで知り尽くしている。打球した球が落ちている所に行くと、わたしはその球の前方を睨んで、さて次はどの方向に打とうかと考えるのだが、Y氏は考える時間は必要なく、すばやく打つ。人はこれを「早打ちのY氏」と呼んでいる。コースの癖を知り尽くしているのは当然としても、ゴルフ場のスタッフみんなとも顔なじみである。更に、ゴルフ場の池の鯉たちとも顔なじみなのには驚いた。Y氏が池のそばに行くと、鯉たちが自然に集まってくる。Y氏は鯉たちがかわいいと言って、餌を投げ与えていた。
♪素振りではプロも顔負けナイスオン♪
(赤タイ)