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四国八十八ケ所お遍路の旅

虫めがね vol.43 No.3 (2017)

古希を迎えた頃、いつかは四国八十八ケ所お遍路の旅をしようと考えていた。その目的は八十八ケ所を参拝することによる「心の健康」と、歩くことによる「体の健康」を得ることである。昨年の春、思い立って第一回の旅を開始した。偶然だが昨年は閏年であり、閏年の逆打ち(八十八番から逆に回る)は順打ち(一番から順回り)よりはご利益が三倍も多いそうである。

お遍路と言うと、白装束に三角形の菅傘を被り、右手に数珠と持鈴を持ち、左手に金剛杖をついて徒歩で八十八ケ所を回る姿を思い浮かべるが、今ではバスツアーが多い。バスに乗ると言っても四国のお寺は嶮しい山頂や山奥にあることが多い。お寺の麓でバスを降りて、何十段もある石段を登って本堂と大師堂に至る。そこで、線香とろうそくを立て、お賽銭を納め、家内安全・先祖供養と書いた納め札に自分の名前を書いて納札箱に入れる。そして念珠をすりながら般若心経を読経する。これを繰り返しているうちになんとなく心安らかな気持ちになれる。八十八ケ所をお参りし無事結願した時には、誰もが円満な顔つきになるそうである。

旅行会社のバスツアーは毎月一回出かけて、一年で結願となるように計画されているが、旅行会社が計画した日程通りには参加できないことが多く、結願までは二年はかかりそうである。

バスツアーにはお先達さんが同乗され、先導されるので予備知識が無くとも、問題はなく、いろいろなことを教えてもらえる。四国お遍路の由来は古代末期から聖と言われる民間宗教者が四国遍路で修業した、それが江戸時代に大衆化したこと。お寺に入る時と出る時は山門の前で合掌し一礼すること。寺の参道や石段は真ん中を避けて左端を歩くこと。お賽銭は神社の初詣での時のように投げ入れてはいけないこと。金剛杖は杖ではなく「弘法大師」の化身であるので大切に扱わなければならないこと等々、今までは何も考えずに寺院などに出入りしていたが、教えられると、なるほどそうなのかと納得することが多い。

八十八ケ所を結願し、すべての寺で納経帳に朱印をもらったら、今度は本山である高野山金剛峯寺にお礼参りに行く。この納経帳は、自分の葬儀の時に棺桶に入れてもらえば、迷わずに冥土にたどり着けるそうである。

♪嶮し道登ってたどる遍路笠♪

(赤タイ)

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