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ブラックアウト [みちくさ]
みちくさ vol.44 No.5 (2018)
原稿の締切が近づいてきた。ネタはいくつかあるにしても「今回はやはり高校野球、それも金足農業の件でしょう」と思っていた。そこに台風二十一号である。「内容を変えようか」とも迷っていた。 そして、九月六日午前三時過ぎの地震。あっという間の停電である。手探りで携帯を探し、情報を見ると、最初期には最大震度は安平町の6強、当地の震度は5強とある。別の部屋で何か落ちたようだったが、真っ暗な中でうろうろするのも、...
曲名は? [みちくさ]
みちくさ vol.44 No.4 (2018)
ANAの機内オーディオにクラシック音楽のプログラムがあり、しばらく以前にパーソナリティと番組テーマ曲が新しくなった。ところが、このテーマ曲が分からない。特に調べる気もなかったが、ずーっと引っかかっていた。六月、スペインに関係する曲目を選んだオーケストラのコンサートがあり、そこで、ラロのスペイン交響曲などと並んで、フランスの作曲家イベールによる組曲「寄港地」が演奏された。これはなかなか面白い曲で、ず...
お爺ちゃん、お婆ちゃんは孫の世話がうれしい [虫めがね]
虫めがね vol.44 No.4 (2018)
先のこのコラムで、お爺ちゃん、お婆ちゃんたちは孫が可愛い、かわいくて世話がうれしいということを書いた。これは人類(ホモ・サピエンス)が地球上に現れて約二十万年の歴史の中で、DNAに記録された遺伝情報であると言った。この遺伝子に支配されているお爺ちゃん、お婆ちゃんは、孫の世話がしたいのに近くには孫たちはいない。現代では、わが国の多くの若い世代は住み慣れた田舎から都会に出て仕事をしている。親たちとは離...
保育士とふつうの母親 [虫めがね]
虫めがね vol.44 No.2 (2018)
筆者が勤務していた大学で保育士の資格を取り、卒業後、保育士として活躍している教え子が、久しぶりに子どもを連れて学校にやって来た。「先生、私の子どもです。一歳半になりました」学校の廊下を活発に走り回る元気な男児である。こまめにその子の世話をしている様子を見て、話しかけた。「あなたは保育士なので、子育ては専門家ですね」「わたしも、最初はそう思っていました。しかし、いざわが子を育ててみると全然違います」...
高温乾燥材と生物劣化 [みちくさ]
みちくさ vol.44 No.2 (2018)
前回の続き、「高温乾燥材」の「耐朽性」「耐蟻性」の件である。実は二〇一〇年頃、主に地方公設試の研究者による「安全・安心な乾燥材の生産・利用マニュアル」という資料が公開され、なかに「不適切な乾燥スケジュールによって生じた内部割れや熱劣化による強度低下のリスク」という表が示されている。この表は定性的な表現にとどまっており、その点では「隔靴掻痒」といった感があるのだが、それでも、通常の高温セット程度なら...