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2012年 Vol.38-No.4

1.会議
⑴第34回通常総会(5月28日)

東京都港区芝公園メルパルク東京において出席者224名(委任状を含む)をもって開催した。

今村会長から,「日本木材保存協会は,本年4月1日公益社団法人になり,本日は,その第1回の総会となります。従いまして,記念すべき総会であるとともに,重要な意味を持つ会議となります。その意味で,宜しくご協力をお願い申し上げます。

当協会が公益社団法人に移行したということは,不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的に,公益事業を主たる事業とする法人として,位置づけられたことを意味しています。公益性の判断基準の主要な点は,事業の内容が公益性の判断基準に適合していることでありますが,当協会は木材保存に関わる学術及び科学技術の振興を通して,国民生活を向上させることを目的に各種事業を実施し,その成果を広く普及しております。それらが基準に適合していると判断された訳であります。

今後は,法律や規則等に従って事業運営や事務処理等を行うことが求められますが,内閣府による監督が行われ,文書の備え付けや情報公開などが適切に行われているかチェックを受けることになります。しかしながら,試験・研究・技術開発などについては,従来から関係が深い農林水産省,経済産業省等の指導や連携が引き続き必要であり,これまで以上にこれらの関係省庁とは連絡を密にして,本協会の目的の達成に向けて努力していきたいと思っています。

公益法人化によって広く国民,社会のために活動を行うということが重要であるとしても,会員各位との連携が弱体化しても良いことではありません。むしろ協会を支えて頂いているのは会員の皆さんであることを改めて認識し,今後とも木材保存の事業の発展に一層のご協力を賜りたいと存じます。それとともに,関連団体との協力関係を今後とも強め,事業の適正な推進により力を注いでまいりたいと思っています。

公益社団法人としてその役割を果たすため,今後一層強く心を引き締めて運営に努めて参る所存でありますので,皆様方にはよろしくご協力のほど,お願い致します。」との挨拶があった。

続いて来賓の渕上林野庁木材産業課長から,次の挨拶があった。

「本日は,公益法人として最初の総会にお招き頂き,ありがとうございます。最近の木材業界の動向についてお話をしたい。課題として,東日本大震災の復興を着実にやっていくように求められている。被災地のスギ間伐材で作られた奇跡の一本松をモチーフとしたピンバッジを胸に着けていますが,これは,「緑の羽の募金」と同じ公益社団法人国土緑化推進機構が今年から使途限定の募金として進めている募金活動です。皆様も東日本の被災地支援としてご協力願います。

また,福島の原発事故の問題がある。木材の安全性に関する風評被害があるが,林野庁としては正確な情報を出していく。現在の段階で,木材から健康被害を出すような放射能は検出されていない。木材を製品として利用する場合は食品摂取による内部被曝とは異なり外部被曝となる。このようにわかりやすい説明をしていきたい。

公共建築物等木材利用促進法による木を使う取り組みを進めていく。昨年4月には木材利用推進室が国土交通省大臣官房官庁営繕部にできた。建築関連の人々とつきあいを深めていく。木材の構造材の品質・性質を表示し,利用者に分かり易い説明が重要である。技術・知見の発信に努め,木材の利用の推進を行う。一層のご活躍に期待する。」との挨拶があった。

このあと今村会長が議長に選出された。議長は,議事に先立ち,議事録については,定款第19条の規定により,議長及び出席理事が署名することとなっていることから,議事録署名人は置かないことを説明し,議案審議に入った。

第1号議案「社団法人日本木材保存協会平成23年度事業報告書及び決算書承認の件」について説明があり,監査報告の後,原案のとおり承認された。

第2号議案「公益社団法人日本木材保存協会役員補欠選任の件」について説明があり,原案のとおり承認された。

報告事項として「公益社団法人日本木材保存協会平成24年度事業計画及び収支予算決定の件」について報告された。

議案審議の後,第23回木材保存技術奨励賞が佐伯義将氏(大日本木材防腐株式会社)に,第9回木材保存学術奨励賞が柿谷朋氏(住友林業株式会社)に授与された。

引き続き広報委員会の松永メールマガジン部会長からメールマガジンの内容紹介があった。

⑵ 木材保存編集委員会(6月14日)および同幹事会(7月8日)

木材保存誌Vol.38,No.4の編集・校正を行った。

2.事業
⑴第28回年次大会(5月28日~29日)

東京都港区芝公園メルパルク東京において第28回年次大会を開催した(参加者210名)。

28日は,20件のポスター発表が60分のポスターセッションを設けて実施された。本年はベストポスター賞が1件,優秀ポスター賞が1件選考された。この後,第22回木材保存技術奨励賞の手塚大介氏(兼松日産農林㈱)及び第8回木材保存学術奨励賞の吉田誠氏(東京農工大学)による授賞記念講演が行われた。

29日は,企業展示(9ブース)・協会委員会活動発表(6ブース)が行われ,引き続き10件の口頭発表が行われ,活発な質疑応答がなされた。この後「土木分野での木材利用400万m3を目指して!」をテーマとしたシンポジウムが開催され,桃原郁夫((独)森林総合研究所)コーディネーターのもと,パネリストの飯村豊(宮崎県木材利用技術センター),水谷羊介(兼松日産農林㈱),森満範((地独)北海道立総合研究機構

林産試験場),酒井温子(奈良県森林技術センター),張日紅(和光コンクリート工業㈱)によりパネルディスカッションが行われた。

⑵ 公益社団法人日本木材保存協会主催木材保存学術講演会(6月7日)

公益社団法人日本木材保存協会主催木材保存学術講演会を中島ホール(東京大学農学部)において開催し,70名が参加した。

この学術講演会は,公益社団法人日本木材保存協会として“木材の品質及び耐久性の向上を図り,国民生活の向上及び地球環境の保全に寄与する”ことを目的に,「木材保存の新展開~保存分野のより一層の発展に向けて~」をテーマに開催した。

⑶ 保存性能JAS 基準化研究会LVL・合板分科会(6月7日)

日本木材防腐工業組合から提出された,日本農林規格(JAS)の制定・改定依頼を受け設立した保存性能JAS基準化研究会のLVL・合板分科会を開催し,分科会の進め方,検討内容等について審議した。

⑷木造劣化診断装置委員会(6月18日)

国総研事業主体の木造劣化診断装置委員会が開催され,協会から竹内孝常常務理事が委員として出席した。

⑸接合金物検討TG 打合会(6月15日)

24年度の事業として計画している接合金物検討TGの打合会が開催され,今年度の計画等について協議した。

⑹ 合板及びLVL の劣化後の物性に関する調査研究会(6月28日)

オーシカケミテック株式会社の依頼による「合板及びLVLの劣化後の物性に関する調査研究会」が開催され,23年度の成果及び24年度の実施計画等が審議された。

⑺ 第5回木材劣化診断研修会兼更新研修会(7月6日)

第5回木材劣化診断研修会兼更新研修会を横浜市こども自然公園野外活動センターにおいて開催し,28名が参加した。

⑻ 保存性能JAS 基準化研究会LVL・合板分科会(7月18日)

保存性能JAS基準化研究会LVL・合板分科会を開催し,規格に必要な資料の収集と整理方法等について審議した。

⑼ 保存性能JAS基準化研究会集成材分科会(7月19日)

保存性能JAS基準化研究会集成材分科会を開催し,分科会の進め方,検討内容等について審議した。

⑽「木材保存」Vol.38 No.4を発行。(7月25日)
3.その他
⑴ 第43回国際木材保存会議(IRG43)(5月6日~10日)

第43回国際木材保存会議(IRG43)が5月6日~10日の間,マレーシアのクアラルンプール市において開催された。31ケ国,178名(日本の参加は8名)の参加があった。

第44回は,2013年6月16日~20日の間,スウェーデンのストックホルムで開催される予定である。

【訂正とお詫び】

Vol.38,No.3の130ページの報告者名が間違っていました。以下のとおり訂正し,お詫び申し上げます。

(誤)桃原邦夫

(正)桃原郁夫

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