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2012年 Vol.38-No.2

1.会議
⑴ 第3回理事会(2月15日)

東京都港区メルパルク東京において第3回理事会が開催された。今村会長から,「①昨年は3月11日に東日本大震災が発生し,深刻な被害をもたらすとともに,科学技術を含めた色々な課題が社会に突き付けられた年でもあった。まだまだ大きい課題が残されているが一日も早い復興・復旧を願っている。②木材利用に関しては従来からのいろいろな施策が法律的な後押しもあって着実に進展しており,このような動きは日本社会あるいは世界が目指す地球温暖化防止への大きなうねりの中にあるように伺っている。最近の地球温暖化防止に関する会議の情報によれば,伐採木材の炭素固定がやっと評価されるようになってきたとのことである。これは長年木材利用関係者の願いであったが,木材になった場合の炭素固定についてその評価が前向きに進んできたということは,温暖化防止に寄与する木材利用という位置付けがより明確に国際的にも認識されてきた状況にあるのではないかと感じている。今後とも木材保存を炭素固定期間の延伸という観点から力強く推し進めていきたいと考えている。③昨年10月から協会事務局に勤務していた米田氏が入院中の1月21日に急性心不全でお亡くなりになった。短い期間であったが,協会の活動に大変お力添えを頂いていた。心からご冥福をお祈りする。④以前から準備してきた公益社団法人への移行措置であるが,12月15日に内閣府へ移行認定申請を行った。1月24日に内閣府のヒアリングがあり,私と事務局の加藤氏の2名で参加した。「平成24年度に向けて移行認定がおりることを期待している。」との挨拶があった。

引き続き林野庁木材産業課青井課長補佐から,「平成22年10月に公共建築物等木材利用促進法が施行になったが,これを受けた動きが各省庁でかなり活発になってきている。国土交通省においては,平成23年5月に「木造計画・設計基準」が制定され,現在これに関連したものとして「木材利用のガイドライン」の作成が進められている。文部科学省においては,平成23年12月に「木造校舎の構造設計標準の在り方に関する検討会」を開催している。もともと木造の校舎についてはJIS A3301「木造校舎の構造設計標準」という規格があるが,木造校舎の一層の推進を図るため,このJIS の29年ぶりの改正を検討している。」との挨拶があった。

平成23年9月以降の協会の事業実施状況が報告され,了承された。

認定申請のあった木材保存剤等(新規)4製品の説明があり,審議の結果,全員異議なく,承認された(別掲1)。

なお,飯島副会長(認定委員長)から,「①認定の審議にあたっては,特に使用方法をチェックし,申請者に必要な修正を行ってもらった。②また,使用方法に関連して,薬剤の処理基準をチェックし,申請者から詳細な処理方法について提出してもらった。③木材保存剤等の認定にあたっては,使用方法のチェックは重要であるので,今後,認定委員会として使用方法の審査基準的なものを作成してみたいと考えている。④この度,協会規格集を改訂,出版した。協会規格を統一的な視点にたって見直し,規格の番号も整理するなど,全体的な整序を図った。今後の認定にあたっては,これからの2年間は従来の試験方法によるデータと今回新しく整理した試験方法によるデータのいずれも採用を可とするが,3年目からは今回新しく整理した試験方法によるデータのみを採用することで考えている。」との補足があった。

なお,審議の中で,「使用方法については,申請書に記載のとおり最終消費者まで伝わっているのかのチェックが必要ではないか。また,品質管理についても,申請書のとおりの品質が確保されているかのチェックも必要ではないか。」との意見が出され,今村会長から,「重要な問題であり,今後検討していきたい。」と回答した。

会員の加入については,加入申請のあった個人会員17名,賛助会員1社の説明があり,審議の結果,全員異議なく,承認された(別掲2)。

平成24年度暫定予算について説明があり,平成24年4月1日から5月31日までの暫定予算が,全員異議なく,承認された。

公益社団法人への移行認定申請した内容等について,審議の結果,全員異議なく,承認された。
木材劣化診断士規程の改正について,審議の結果,全員異議なく,承認された。
「ベストポスター賞」及び「優秀ポスター賞」授与内規の改正について,審議の結果,全員異議なく,承認された。

平成24年度の年次大会,公開シンポジウム,総会の開催日程については,平成24年度からは2日間の開催日程とすること,懇親会は有料として参加者から参加費を徴収すること等の説明があり,審議の結果,全員異議なく,承認された。

その他,①平成24年度からの手数料について,②「保存性能JAS基準化研究会」の設置について,③「保存処理剤の持続性及び金属腐食等に関する研究会」の設置について,④「木のまち・木のいえ推進フォーラム」への参加について報告があり,了承された。

今村会長から,「木材保存剤等審査事務局は,木材保存剤等の認定手続上,重要な役割を果たしているが,ホームページを持っていないので,審査事務局の規約等を保存協会と㈳日本しろあり対策協会のホームページに掲載し,認定申請者に周知を図りたいと考えている。」と話があった。

⑵ 認定委員会(1月30日)

木材保存剤等の新規認定について,審議した。

⑶ 企画運営委員会(1月30日)

第3回理事会に提出する議案として,平成23年度事業中間報告,木材保存剤等の認定(新規),会員の加入,平成24年度暫定予算,公益社団法人への移行認定申請,木材劣化診断士規程の改正,「ベストポスター賞」及び「優秀ポスター賞」授与内規の改正等について審議した。

⑷ 木材保存士委員会(2月14日)

1月26日~27日に実施した「第31回木材保存士資格検定試験」の合否判定を行った(27名が合格)。また,平成24年度の木材保存講座の実施,木材保存士の拡大等について,審議した。

⑸ 正副会長会議(2月15日,3月2日)

正副会長会議を開催し協会の運営,職員の採用等について,審議した。

⑹ 年次大会運営委員会(3月5日)

平成24年5月28日㈪~29日㈫メルパルク東京において開催する,第28回年次大会のプログラムと運営について,審議した。

⑺ 授賞者選考委員会(3月17日)

第23回木材保存技術奨励賞および第9回木材保存学術奨励賞の受賞者を選考した。

⑻  木材保存編集委員会及び同幹事会(2月7日,3月12日),拡大広報委員会(3月16日)

「木材保存」Vol.38 No.2の編集・校正を行うとともに,協会ホームページの内容検討等を行った。また,拡大広報委員会を日本木材学会大会会場(北海道大学)において開催し,今後の木材保存誌のあり方,地域のページの充実等について検討した。

2.事 業
⑴ 第31回木材保存士資格検定講習・試験(1月26日~27日) 

メルパルク東京において第31回木材保存士資格検定講習・試験を実施した。

⑵  木材劣化診断士に関する打ち合わせ(2月1日)

平成24年度に実施する木材劣化診断士研修会,木材劣化診断士検定講習・試験の実施等について,打合わせた。

⑶ 木造劣化診断装置委員会(2月10日)

国総研事業主体の木造劣化診断装置委員会が開催され,協会から竹内常務理事が委員として出席した。

⑷  保存性能JAS 基準化研究会事前打合会(2月13日)

日本木材防腐工業組合から提出された,日本農林規格(JAS)の制定・改定依頼を受け,設立する保存性能JAS 基準化研究会の事前打合会を開催し,研究会の進め方,検討内容,担当者等について審議した。

⑸  平成23年度建設技術研究開発助成産学官テーマ推進委員会(2月24日)

建設技術研究開発助成産学官テーマ推進委員会が開催され,協会から竹内常務理事が委員として出席した。

⑹  平成23年度耐久性分科会に関するTG 幹事会(3月1日)

㈳日本木材保存協会及び日本木材防腐工業組合が実施している耐久性分科会に関するTG 幹事会が開催され,平成23年度の成果報告及び今後のスケジュール等について,審議された。

⑺  木のまち・木のいえ推進フォーラム支援団体打合会(3月8日)

木のまち・木のいえ推進フォーラム支援団体打合会が開催され,今後の運営について審議され,協会から竹内常務理事が出席した。

⑻  木材保存剤等審査事務局企画運営委員会(3月14日)

木材保存剤等審査事務局企画運営委員会が開催され,23年の事業内容,収支,規格の改正,24年の事業計画,予算案等が審議され,協会からは今村会長,田中副会長,竹内常務理事が参加した。

⑼ 生物劣化研究会の開催(3月17日)

日本木材学会生物劣化研究会と協賛して,北海道大学で2012春期シンポジウム「塗装および塗装木材の耐候性評価」「木材保存にとって必要な研究課題」を開催した。⑽ 「木材保存」の発行(3月25日)
会誌「木材保存」Vol.38 No.2の発行。

3.その他
⑴ 保存処理木材の耐久性調査報告会(3月9日)

日本木材防腐工業組合主催(㈳日本木材保存協会後援)の保存処理木材の耐久性調査報告会「保存処理木材は何年もつの?」が開催された。

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