会誌・出版物

ホーム > 木材保存誌コラム > 虫めがね > 漢方(薬草)の楽しみ(続編)

木材保存誌コラム

漢方(薬草)の楽しみ(続編)

虫めがね vol.51 No.1 (2025)

「梅酒」これは薬草とか漢方とかに興味を持つ前から嗜好品として飲んでいた。毎年六月の下旬ころに青梅とホワイトリカーを買ってきて二瓶ほど漬けている。年末には飲めるようになっているが、飲まずに小瓶に入れて保存し、熟成にまわす。飲むのはすでに熟成させた二年ものや三年ものである。熟成させると味が軟らかくてまろやかになり美味しくなる。わたしが長く梅酒を愛用しているのは、夏に猛暑が続き夏バテ気味となり食欲も落ちてきた時に食前酒として飲むと食欲を刺激し、疲労回復の効果があるからである。その他に、書によると老化防止や動脈硬化を防ぐ効果が大きいそうである。梅酒をとって小瓶に移すとあとに梅の実が残る。これをそのまま齧ると甘酸っぱくて美味しい。

次は「金柑」である。金柑は三年ほど前にホームセンターで苗木を買ってきてわが家の庭に植えた。秋になると黄色い小さな実が生る。生で果皮のまま食べられるので、収穫した実を器に入れて食卓の上に置いて適当に食べている。おやつ代わりである。薬効としてはのどの痛みや咳止めに効果があると書いてある。また、金柑酒は風邪や疲労回復や精神安定作用があるそうだが、わが家の金柑はまだ若くて収穫量が少ないので金柑酒は作っていない。

「ドクダミ」「センブリ」「ゲンノショウコ」と聞くとわたしが子どもの頃、胃腸が弱く虚弱体質だったのを母親が心配して、これらの薬草を採って来て煎じて飲ませてくれたのを思いだす。大変苦くいやな臭いがする煎じ薬で、我慢して飲んだ記憶がある。今年の六月頃、いつも散歩している道から少し離れたところに「ドクダミ」が白い花を咲かせて群生しているのを見つけた。これを茎葉ごと刈り取って日干しにし、乾燥したものを約2~3‌cmの大きさに切断して袋に入れて保存している。ハト麦茶と同じようにこれを煎じて飲んでいる。これは今年から始めたので効果のほどは分からないが、書によると高血圧症や動脈硬化の予防、体のむくみや便秘、腎炎、鼻炎を良くすると書いてある。ドクダミの語源は「毒痛み」で、毒を抑制する効果からきた名前のようだ。

「ニラ」には胃腸が冷えた時に温めて調子を整える効果がある。胃腸だけでなく内臓全体の調子を整える作用があり、強壮作用がある健康野菜である。ニラの食べ方はわたしがやっているのはニラ入りの卵焼き(オムレツ)やレバニラ炒めである。これは調理を伴って手間がかかるので、いつもは、ニラを細かく刻み味噌汁や大根おろしなどの薬味として利用している。

わたしは薬草を薬を飲んでいると言うよりも日常の食品や飲料として楽しみながら、おまけとして何らかの良い効果があれば儲けものという軽い気持ちである。

♪竹のように生きてみたいな次の世は

(赤タイ)

コラムトップ

ページトップ