ホーム > 木材保存誌コラム
木材保存誌コラム
最近、気になっている言葉 [みちくさ]
みちくさ vol.47 No.3 (2021)
現在でも「木材利用と環境負荷」といったタイトルでお話することがある。 このときのキーワードの一つが「カーボンニュートラル」。すなわち環境科学上の定義では「植物由来物質の燃焼・分解に伴って排出される二酸化炭素量は、その植物が成長過程で吸収した二酸化炭素量と等しい」ことを示した概念であることは本誌読者には自明のことであろう。 そしてこの「植物由来の物質」の代表格として木材が取り上げられ、例えば…
十年前のあの日 [みちくさ]
みちくさ vol.47 No.2 (2021)
東日本大震災発生から十年。 あの日、僕は「国交省・林野庁連携プロジェクト:木のまち・木のいえ担い手育成拠点事業」成果報告会での発表のため、東京の水道橋にいた。 発生直後、近くの公園に避難したものの、ほどなく揺れが収まったため報告会は再開された。東京は震度5強であったという。 夕方、災害の全容が次第に見えてきた。その時点では震源やその規模、そして「大津波」の状況であった。都内の交通機関は止…
川柳と俳句(2) [虫めがね]
虫めがね vol.47 No.2 (2021)
数年前に「川柳と俳句」の題目でこのエッセーを書いたが、その続編を書いてみる。 最近は俳句ブームと言われている。それはTBS系列テレビで八年あまりも続いている毎日放送制作の「プレバト!」という人気バラエティ番組に負うところが大きい。俳人の夏井いつき先生に浜田雅功というお笑い芸人を司会者に、梅沢富美男などの芸能人が作った俳句を夏井先生が査定する。芸能人が作った凡作の句でも夏井先生の添削で見違える…
長崎出島と鎖国政策 [虫めがね]
虫めがね vol.47 No.1 (2021)
学会で長崎に行ったついでに国指定史跡「出島」を見学に行った。当時は島であったのだろうが、今は埋め立てられて陸続きとなっている。路面電車で、「出島」という電停で降りるとすぐに出島和蘭商館跡入口が見えてくる。 徳川幕府は鎖国政策を採り、日本人の海外渡航を禁じ、海外からの帰国者は死刑にした。それと同時に外国船の来航も制限した。しかし外国船がもたらす生糸、絹織物、ラシャ、象牙、砂糖、ガラス製品、胡椒…
昨年の流行語大賞 [みちくさ]
みちくさ vol.47 No.1 (2021)
昨年の流行語大賞予想を、よせばいいのに、このコーナーで4回も面白がって続けてしまった。 ここでは「新型コロナウイルス」に関連したものが多くなる、とした。そして昨年末に発表された結果を見ると年間大賞には「3密」、トップテン中に「新しい生活様式」の中での社会経済活動にまつわるワードも加えると、過半数が関連したものになっていた。すなわち「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン○○」「GoToキャン…